5. 収支パターン (バブル期 ①当初計画)
今度はバブル期に建てられたビル・マンション等について、この収支パターンのグラフを使って分析してみましょう。
建物の仕様も違うので正確な数字ではありませんが、バブルのピーク時をバブル崩壊後のボトム期と比べると、感覚的には建築費が5割程度は高かったような気がします。賃料が同じだとすれば、建築費が高くなれば単純利回りは下がります。当時RCで賃貸マンションの企画をたてると、金利も現在より高目だったこともあり、30年ローンで初年度は殆どキャッシュフローは確保できませんでした。
そのため、当初3年から5年の間はローンの元金返済を据え置き、その間に賃料が上昇するのを待って元金返済を開始するというような契約が多くみられました。今考えると恐ろしい話ですが、当時はこれが当たり前だったのです。
上のグラフは当時の「事業計画」に基づく収支パターンをグラフにしたものです。複雑になるので元金据置期間は設定していませんし、また当時の税法と少し異なる計算をしていますが、基本的な収支のイメージはこのようなものです。これは賃料が半永久的に右肩上りで上昇することを前提としていますので、「当初の採算さえ合えば後はどうとでもなる」というような考え方でした。
このケースでも税負担がキャッシュフローを圧迫するメカニズムは働きますが、当時は殆ど誰も気にも掛けていませんでした。建物の減価償却による当面の節税効果の方は重視しても、15年も20年も先の税負担など気にするような雰囲気ではなかったわけです。
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