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借地・底地の権利調整(その1)

借地権、底地権とは?

実は借地権という「権利」は外国にはありません。そのためか法律的にも不完全な部分が多く、一旦トラブルになると泥沼化する場合もありますので取扱いには注意を要します。

当然、借地人か地主のどちらか一方からの依頼で着手することになりますが、依頼人自体が借地権(又は底地権)についてよく理解しておらず、それが交渉のネックになるケースが多く見られます。
そこで、交渉を始める前にまず依頼人に正しく理解してもらう必要があります。私の場合、少し乱暴かもしれませんが、突き詰めると次のようなものだと説明しています。

借地権 ~ 地代等について応分の負担をすればその土地に居座れる権利
底地権 ~ 借地人が建替え、売却をしようとした際に異議を唱える権利

本来はただの債権に過ぎなかった借地権が実質「財産権」となったのはこの「居座れる権利」の結果です。地主により強制的に立ち退かされることはない上、建替え等も(仮に地主が反対して係争になったとしても)相応の対価を払えば認められます。戦後の住宅不足時の「建物保護」という政策が思わぬ結果を招いたわけです。
一方、地主のほうはと言うと、地主の一方的な都合では立ち退きも建替えの阻止もできないという意味で「異議を唱える権利」しかありません。その代わり「異議を唱えない対価」としての「承諾料」は得ることが出来ます。地主が一方的に不利なようですが、「異議を唱える」効果は意外と大きく、地主と係争を抱えた状態では借地権を売却しようてしても高値で売ることは不可能となり、建替のための銀行借入も困難になります。

この状態は、言わば「互いに弱みを握り合っている」状態です。借地人は居座る限りは強い立場ですが、何かをしようとすれば一転して弱い立場となります。一方、地主は主体的には殆ど動けませんが、何かあった場合には少なくとも借地人の邪魔はできるというわけです。
これはある意味で両者に大変ストレスの溜まる関係です。両者の関係が一見良好に見えても、何かの切欠で一気に過去の不満が噴出する可能性を常に孕んでいるといえます。よって借地・底地の権利調整をコンサルティングする場合は、依頼者にもこの関係を十分に説明した上で細心の注意をもって取り組む必要があります。

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