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境界(その2) 公図の「嘘」

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今回も青地がらみのケースである。公図上は対象地(黄色部分)に青地が突き刺さったように含まれていた。この土地をマンション用地として売却することを検討していたため、当然ながら青地の払い下げの準備を行うこととした。

この際、公図上の地形が実際の土地と比べて妙に大きいことに気が付いた。実際の地形は点線以下の部分とほぼ合っている。それなら青地が含まれず都合が良いが、公図の地形は当てにはならないというのは常識である。また、ちょうど公図の境目に近い部分でもあったので地形が不正確なのだろうと推測された。よって現所有者も私も当然青地が本件土地に含まれているものと考えていたわけである。ところが作業を依頼した測量士からの報告は又々驚かされるものだった。

道路を挟んだ反対側の青地の立会いは過去に実施され境界等は確定していたが、それは本件土地北側境界より10メートルも北側(図では上側)だったのだ。つまり公図を見た第一感の通り、本当の境界は点線部分が正しかったのである。この公図は一体なんなのであろうか

所有者からの聞き取りによると、本件土地は借地を地主から買い取ったものだということであった。思うに、旧地主は残地に青地が含まれると面倒なので公図を適当に「分筆」して売却したようである。いい加減な話もあったものだが、その後北側の隣地も第3者に売却されており、今となっては真相は藪の中といった状況であった。

この状況は個人住宅として使用し続けるには問題ないが、分譲マンション用地としては致命的である。北側隣地所有者の同意を取り付けて公図訂正するのが筋であるが、その場合は北側隣地に青地が食い込むこととなる。普通に考えて簡単にいくとは思われない。そこで当然ながら不動産業者としては北側隣地も買収してしまうことを画策し、その現所有者と交渉することにした。

結論を言うと買収は失敗した。しかし、隣地所有者は東側道路をセットバックして拡幅することを条件に公図訂正を承諾してくれたのである。望外の結果とはこのことであろう。承諾さえしなければ、労せずして南側のマンション建設を阻止できるのである。当方が如何に公図の不備を証明したところで、隣地の承諾なくしては公図訂正は不可能だ。

これには、①隣地所有者が相談した不動産会社が非常に紳士的であったこと、②この時点で内定していた買主が地元では絶対的な信用を得ている企業グループに属していたこと、の2つが寄与したと思われる。この取引をセッティングしてきた自分としては、正に「不動産屋冥利に尽きる」場面であった。

この結果、一時は取引自体が困難と思われた土地は、(一部)分合筆、公図訂正、地積更正等を経て完璧な「マンション用地」に仕上げることができた。加えて実質的に近隣対策のかなりの部分も済ませるというオマケ付である。後日談ではあるが、建築確認から施工も全て順調に進み、当然のように即日完売したとのことである。不動産というのはうまくいく時はこんなものなのかもしれない。

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