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Newtypeローン計算法

これは新しいローン計算法を用いたローン計算ソフトです。

Vectorソフトウェアライブラリー Newtypeローン計算法

月利計算を行う場合、一般的なローン計算ソフトでは月毎の計算を延々と繰り返し膨大な返済予定表を作成します。コンピューターを使えば容易な作業ではありますが、年ベースの金利と元金の返済内訳を求めたい場合には、この返済予定表の数字を改めて集計するという無駄な作業が生じてしまいます。そもそも膨大な返済予定表を打ち出しても、10年も20年も先の特定月の返済内訳を知りたいと思う人がどれほどいるのか大いに疑問があります。

そこで、年利計算のように年単位で計算しながら月利計算と同じ結果を求めることが出来る計算方法はないかと模索していましたが、漸く実用的な計算方法を考案することができました。数式は一見すると複雑ですが、基本的な考え方は非常にシンプルです。以下にその考え方を順を追ってご説明しましょう。

A.定期返済額×返済回数-当初借入額=総金利支払額

これが最も基本的な発想です。実際には様々な誤差があって厳密には成立しませんが、月毎の計算を省くためのヒントとなります。これを一定期間について適用すると、次のようになります。

B.期初残高-期末(予想)残高=期中元金返済額
  定期返済額×期中返済回数-期中元金返済=期中金利支払額

つまり、期末残高を正確に計算できれば期中の各月の計算は省略できることとなるわけです。では期末残高はどうすれば算出できるでしょうか。

まず、Aの関係が厳密に成立しているとすれば、次の関係が成り立ちます。

C.期末残高=期末時点における(定期返済の流列の)現在価値

しかし、これが成立するためには次の関係も成立している必要があります。

D.期初残高から導出される理論上の定期返済額=現実の定期返済額

残念ながら、これが成立するという保証は全くありません。期間短縮方式で繰上返済をすれば大きく乖離してしまいますし、そもそも理論上の定期返済額と実際の定期返済額には端数処理分の誤差が必ず含まれています。また、この関係が成立しているならExcelのアドインにある「CUMIPMT関数」を使えば簡単に答えが求められるので、最初からこんな苦労をする必要もありません。

ここで発想を転換する必要が生じます。結論から言うと、Dの関係には拘らないこととが解決の鍵となります。この時点で与件として与えられているのは、(実際の)定期返済額、金利、返済回数です。これらから導出される現在価値を理論上の残高とし、こちらを基準にして考えることにするわけです。そこで次のように定義します。

E.(理論上の)期初残高=(定期返済の流列の)期初現在価値
  (理論上の)期末残高=(定期返済の流列の)期末現在価値

Dのことなど気にせずに、実際の期初残高は「理論上の残高から乖離した(単なる)イレギュラー値」と割り切って考えてしまえばよいわけです。その結果、次の関係が成立します。

F.期初現在価値-実際の期初残高=(理論値との)乖離幅
  期末現在価値-乖離幅の期末時点将来価値=(実際の)期末残高

至ってシンプルになりました。定期返済額の誤差も、過去の繰上返済額の影響も、全て上の「乖離幅」に還元されることとなり、容易に期末残高を決定することができます。飛ばした月の端数処理の問題は残りますが、それ以外に誤差等が発生する数学的余地はありません。後は適宜計算期間を設定してやり、「各期間ごとにFの関係を用いて期末残高を計算し、それに基づいてBで期中金利支払額を求める」という計算プロセスを繰り返してやればOKとなります。

以上が新しい計算方法の基本的なアイデアです。「これも十分に面倒で複雑じゃないか」とのご指摘もあるとは思います。しかし、折角パソコンの性能が飛躍的に向上したのですから、従来のように単純計算を大量に行うばかりではなく、このような数学的アプローチを用いたソフトがあっても良いのではないかと考えますが、如何でしょうか。

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