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速算相続税2011 ~その3

みなし同居について (2次相続)

一方、2次相続においては「みなし同居」という一種の救済措置があります。すなわち、2世帯住宅であっても被相続人が独居している場合は、2世帯住宅のもう一方に居住している相続人を「みなし同居(人)」として特例の適用を認めるといものです。これが認められれば「みなし同居人」が相続する分は無条件で80%減額されますので問題はなくなります。

インターネットで2世帯住宅の相続税について調べると、大概は「みなし同居があるので2世帯住宅は安心だ」というような記事がヒットします。ただ、それらの記事では不思議と前述の1次相続については触れていません。1次相続で全体を配偶者が相続し、2次相続で「みなし同居」を使えばよいとの発想かもしれませんが、そのような安易な考え方でよいのでしょうか?

「みなし同居」にも当然ながら条件がつきます。まず相続発生まで被相続人が居住していることが絶対条件です。一時的な入院なら構いませんが、介護施設に入所した場合は居住しているとは言えなくなります。その場合も「生計を一とする」ケースに該当する可能性はありますが、入所費用等を被相続人の預貯金等で購った場合には認められないと思われます。

また、被相続人と他の親族が同居していた場合も「みなし同居」の適用は受けられません。不適切な喩えかもしれませんが、「出戻りの姉が帰ってきた」とか、「リストラされた末弟が転がり込む」、或いは「(代襲相続人の)孫を引き取る」などの事態になれば「みなし同居」とはなりません。仮に同居の理由が介護のための善意だったとしても、税務上は一種のペナルティが課されてしまうわけです。

これらを勘案すると、1次相続で少々相続税負担が発生してもある程度は子が相続を受けておくほうがリスクが小さいと思われます。2次相続に先送りして「みなし同居」が受けられなかった場合、相続税負担は大きくなります。1次相続であれば配偶者控除も使えるので税の総額も抑えられます。

ここまで見てみると、今度の税制には矛盾があるような気もします。下手に2世帯住宅を建てて親の面倒を見るより、貸家に住んで「3年以内に自己または配偶者が所有する居宅に住んだことがない」という条件で相続した方が税務上は優遇されるというのは変ではないでしょうか。その場合は居住要件もないので、相続後すぐに売ってしまっても良いわけで、何か納得しがたいものがあります。まあ、この税制が周知されて異論が噴出すれば新たな救済措置ができるのかもしれません。

いずれにしましても、相続の相談を受けることが従来にも増して難しくなるのは間違いありません。更に基礎控除の減額が実施されて相談者数が激増した場合、果たして対応できるだけの専門家がいるのか心配です。

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