2.ソフトウェア

かんたん相続税

平成27年相続税改正により新たに課税対象や申告対象となる人への初期コンサルティング用に開発しました。テンキーとクリックだけで操作できる超簡単相続税計算ソフトです。

(はじめての相続相談の改良バージョンです)

小規模宅地特例が適用される土地を1か所に限定していますが、これにより2世帯住宅や併用住宅の複雑な計算や、相続人ごとの特例適用可否を容易に処理できるよう工夫しています。相続税の初歩的な知識さえあれば即使用できます。

構成は次のようになっています(クリックするとPDFを表示)

1. 路線価方式による土地評価額

2. 小規模宅地特例適否判定

3. 相続人確定と基礎控除額算定

4. 小規模宅地対象地の遺産分割案

5. (申告or納税の目安となる財産額)

6. 相続税総額の計算

7. (旧税制と新税制の比較)

8. 遺産分割案(法定割合一括入力ボタン付き)

9. (相続税試算表)

 ( )内は入力不要。8については法定相続割合による一括入力が可能。

入力内容から不要欄はグレーに変化。次に入力が必要な欄は強調表示されますので操作ミスは殆ど生じません

相続財産のヒアリングが十分にできない場合でも、1~5までを用いて簡単なコンサルティングも可能です。

バブル当時に信託銀行の窓口で多くの相談を受けた経験を活かしたソフトです。実際の相談者は相続税が課税される人よりもボーダーライン上の人のほうが圧倒的に多いわけで、これに如何にスピーディーかつ丁寧に対応できるかが重要です。相続税がかからなくてもビジネスチャンスはいくらでもあります。ここで信用を得られれば、その先の財産コンサルティングに繋げることができるでしょう。

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はじめての相続相談

現在検討中の相続税増税案が実現すると相続税課税(又は申告)の対象が大幅に拡大します。
この増税案は平成22年の小規模宅地特例の改正とリンクしていますが、その計算方法が非常に複雑なため一般に周知されているとは言えない状況です。しかしながら、ひとたび施行されればボーダーライン上の人も含めて膨大な相談ニーズが発生すると予想されます。

このソフトは初回コンサルティングに特化させることで、最小ステップかつ最短時間で相談に対応できるソフトを目指して開発したものです。入力には5分と掛かりませんので、相談を受けながらその場でレポートを作成できます。また、細かい税額計算よりも新たな相続税の仕組みや増税の影響の説明に重点を置いていますので、税制の説明に要する時間を大幅に節約できます。

新たに相続税の対象となる人の初回コンサルに特化した理由

1.)相続税改正前から相続税の対象となっていた人は既に何らかの対策を検討済みと考えるのが自然で、そのような人にとっては今回の増税案への対応は「税理士マター」といえます。

2.)一方、新たに相続税の対象となる可能性のある人にとっては、自分が課税対象となるのか、申告が必要になるのか、といった点が最も大きな関心事でしょう。

3.)新たな税制においては、かなり詳細なヒアリングを行わなければ税額計算を確定できません。しかし、詳細な項目を入力しないと結論がでないようなソフトでは前項のようなニーズの相談には対応することは難しいでしょう。

4.)複数の不動産に小規模宅地の特例を適用するようなケースは非常に難解となりますが、そのような人は既に課税対象となっていると推測できます。メインの不動産は1つ(基本的に自宅等)とすることでシンプルで分かりやすいレポートが作成できます。

5.)新たに相続税の対象となる人にとっては、従来は対象外だったものが何故対象となったかが最も知りたい点でしょう。上記のように全体の構成をシンプルにすることによって、その疑問に答えるための補足説明を行うスペースを確保できます。

サンプルPDF①~2世帯住宅1次相続のケース

サンプルPDF②~専用住宅1次相続のケース

バブル期の経験から、実際に相続税の課税対象となる人より遥かに多くの人が何処かに相談に訪れると思われます。申告すれば非課税となる人、ボーダーラインの人、申告不要でも心配で誰かに確認したい人などです。税理士業界には相続税改正を「特需」と見ている人もいるようですが、これらの(正規クライアントにはならない?)相談者を捌くだけのキャパシティがあるかは大いに疑問です。

一方、不動産関連、住宅関連、FP、信託銀行などへも相談者が多数訪れると予想されます。これは一つのビジネスチャンスですが、バブル期でも対応が大変だったのに、新税制は更に複雑化しているので簡単には対処できそうにありません。更に今回の増税案は「薄く広く」が基本なのでバブル期のように直接的に土地の売却や有効利用につながり難いと思われます。ある程度効率的に相談者を捌かないとコスト的に合わなくなる可能性もありそうです。

そのようなニーズに対応させるべく開発したのが「はじめての相続相談」です。相続税計算ソフトとしては中途半端なものと感じる方もおられるでしょうが、このような目的で試用するソフトとしては皆様のお役に立つものだと考えております。近日中にベクターから体験版を公開しますので、ご興味のある方は是非お試し下さい。

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速算相続税2011 ~その3

みなし同居について (2次相続)

一方、2次相続においては「みなし同居」という一種の救済措置があります。すなわち、2世帯住宅であっても被相続人が独居している場合は、2世帯住宅のもう一方に居住している相続人を「みなし同居(人)」として特例の適用を認めるといものです。これが認められれば「みなし同居人」が相続する分は無条件で80%減額されますので問題はなくなります。

インターネットで2世帯住宅の相続税について調べると、大概は「みなし同居があるので2世帯住宅は安心だ」というような記事がヒットします。ただ、それらの記事では不思議と前述の1次相続については触れていません。1次相続で全体を配偶者が相続し、2次相続で「みなし同居」を使えばよいとの発想かもしれませんが、そのような安易な考え方でよいのでしょうか?

「みなし同居」にも当然ながら条件がつきます。まず相続発生まで被相続人が居住していることが絶対条件です。一時的な入院なら構いませんが、介護施設に入所した場合は居住しているとは言えなくなります。その場合も「生計を一とする」ケースに該当する可能性はありますが、入所費用等を被相続人の預貯金等で購った場合には認められないと思われます。

また、被相続人と他の親族が同居していた場合も「みなし同居」の適用は受けられません。不適切な喩えかもしれませんが、「出戻りの姉が帰ってきた」とか、「リストラされた末弟が転がり込む」、或いは「(代襲相続人の)孫を引き取る」などの事態になれば「みなし同居」とはなりません。仮に同居の理由が介護のための善意だったとしても、税務上は一種のペナルティが課されてしまうわけです。

これらを勘案すると、1次相続で少々相続税負担が発生してもある程度は子が相続を受けておくほうがリスクが小さいと思われます。2次相続に先送りして「みなし同居」が受けられなかった場合、相続税負担は大きくなります。1次相続であれば配偶者控除も使えるので税の総額も抑えられます。

ここまで見てみると、今度の税制には矛盾があるような気もします。下手に2世帯住宅を建てて親の面倒を見るより、貸家に住んで「3年以内に自己または配偶者が所有する居宅に住んだことがない」という条件で相続した方が税務上は優遇されるというのは変ではないでしょうか。その場合は居住要件もないので、相続後すぐに売ってしまっても良いわけで、何か納得しがたいものがあります。まあ、この税制が周知されて異論が噴出すれば新たな救済措置ができるのかもしれません。

いずれにしましても、相続の相談を受けることが従来にも増して難しくなるのは間違いありません。更に基礎控除の減額が実施されて相談者数が激増した場合、果たして対応できるだけの専門家がいるのか心配です。

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速算相続税2011 ~その2

2世帯住宅の場合の計算方法(1次相続)

2010年の小規模宅地の特例の改正により、特例適用の可否は相続人ごとに判断することが必要となりました。これを聞いた時は「配偶者が特例の適用対象なら、配偶者の相続分の80%は軽減されるのだろう」と漠然と考えていました。ところが、最近になって2世帯住宅では全く異なる計算方法が適用されると知り愕然としました。不明を恥じるしかありません。

Nisetai

上の図は理解しやすいように2世帯住宅を縦割りで表現していますが、1階と2階で分けても同じです。1次相続の場合、配偶者と2世帯住宅に「同居」している子で1/2ずつ相続するのは良くあるケースだと思います。敷地権登記などなされていないのが一般的ですから、そのケースでは土地を配偶者と子で「1/2の共有」として相続登記することになります。

改正前であれば、配偶者が一部でも相続すれば全体を小規模宅地と認定してもらえたので何の問題も有りませんでした。それが改正後には、次のような計算が必要となります。

1. 被相続人の居宅部分A1A2と、相続人の居宅部分B1B2に分ける
2. その結果、配偶者の相続分はA1B1、子の相続分はA2B2 となる
3. 特例の適否は、A1、A2、B1、B2 について個々に判別する

この場合、被相続人と子が生計を別としているなら特例が適用されるのは「被相続人の居宅敷地で配偶者が相続する部分」、すなわちA1のみとなります。床面積も50:50であれば、特例の対象となるのは全体の25%のみ、よって軽減額は全体の評価額の20%となってしまいます。従来はほぼ無条件に80%減額されたのが20%になるわけですから、これは大問題と言うしかありません

一方、税金の本には「相続人と子が生計を一とする」場合について細かく書かれているので、これに期待する向きも有るかもしれません。本ソフトでもこれに対応させるために複雑な処理をしていますが、結論を申し上げると、実際の事案ではこれに該当することは殆どないでしょう。そもそも相続税の対象となるほどの資産家が子の扶養家族になっているとは考えにくいわけで、子が何かの理由で被相続人に扶養されているようなケースに限られるのではないかと思われます。

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速算相続税2011

税制改正の先行きが全く見えてこないので、その状況に即したソフトとして「速算相続税2011」をリリースすることにしました。

A.2009年基準(小規模宅地特例改正前)
B.2010年基準(現行税制 同特例改正後)
C.2011改正案(基礎控除減額他)

この3つの基準で相続税額を同時に試算し、その違いを比較検討できるソフトへと大幅な改良を実施しました。2011改正案は今年は廃案となるかもしれませんが、近年の税制改正動向を見る限り、近い将来には実施される可能性は非常に高いと思われます。よって、今から備えておいて損はないでしょう。

速算相続税2011(体験版)をVectorからダウンロード

速算相続税2011PDFサンプル

なお速算相続税2011では小規模宅地特例の計算機能を大幅に拡充させています。2010年の小規模宅地特例の計算方法の変更を軽視していたのですが、最近になって解説書を読んで驚きました。特に2世帯住宅や併用住宅についてはソフトの設計を変えてしまうような大改正でした。そこで遅まきながら、これに対応できるように大幅な改良を加えましたので是非ご覧下さい。

それにしても、小規模宅地特例の改正と基礎控除の減額を年度をまたいで行おうとしたのは少々卑怯なやり方のような気がします。前述した小規模宅地の解説書も初版が2010年10月でして、私も税制改正大綱が決まった時点では事の重大性には気づきませんでした。本ソフトでは上の3基準による課税関係の比較を表とグラフで明示していますので、ご興味のある方は是非ご確認下さい。

平成21年、22年、23年改正案 相続税制比較ページ抜粋

なお、2世帯住宅の小規模宅地の計算については

 その2 (1次相続) 、その3 (2次相続) をご参照下さい

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速算相続税2011暫定版 その2

平成22年の改正と今回の平成23年改正がどのようにリンクしているかを見てみましょう。
平成22年の改正では①小規模宅地の軽減は相続人ごとに計算する、②「その他の小規模宅地」の廃止、の2点でした。基礎控除が据え置かれたため実際の影響は小さいと当時は軽視していましたが、今回の改正案と関連付けると問題は深刻です。

(例)自宅土地路線価 1億円
   相続人は配偶者と子2名
   1次相続、2次相続ともに法定相続割合で分割
       親と子は同居しない

このケースにおいて、平成21年までの税制であれば

 1次相続  軽減額▲80百万→課税額20百万 vs 基礎控除80百万
 2次相続  軽減額▲25百万→課税額25百万 vs 基礎控除70百万

これが平成22年の税制の税制改正により小規模宅地の適用が相続人単位で計算することとなり、加えて2次相続で「その他の小規模宅地」として50%軽減を受けることが出来なくなりました。この結果、子供の相続分は軽減対象外となり、1次相続での実質的な軽減率は40%、2次相続での軽減はゼロとなります。

 1次相続  軽減額▲40百万→課税額60百万 vs 基礎控除80百万
 2次相続  軽減額▲ ゼロ  →課税額50百万 vs 基礎控除70百万

この段階では基礎控除の範囲内ですが・・・

ついに平成23年度税制改正大綱によって

 1次相続  課税額60百万 vs 基礎控除48百万 課税!
 2次相続  課税額50百万 vs 基礎控除42百万 課税!

ということで、土地だけで見事に課税対象となります。土地の評価が1億円もしないという方が多いでしょうが、上は土地だけの計算ですから他の財産を加えれば課税対象となるケースが大量に発生でしょう。更に、「申告すれば非課税」という層はその数倍に達するのではないかと思います。

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速算相続税2011暫定版

平成23年度税制改正大綱対応の新型相続税計算ソフト「速算相続税2011暫定版」をリリースしました。

速算相続税2011暫定版PDF

Vectorから体験版ダウンロード

これを書いている3月4日現在、果たして税制関連法案が成立するのかも不透明な状況ですが、もし通れば社会に重大な影響を与えるとの判断から取り敢えず「暫定版」という形でリリースすることにしました。

今回予定されている改正は「基礎控除の4割カット」という刺激的な内容ですが、昨年施行された小規模宅地の軽減特例の改正と組み合わされることで更に強烈なインパクトを持つことになります。逆に言えば、2年に分けて改正することで社会的批判をかわそうということだったのかもしれません。

税務当局はこの2つの改正により相続税の課税対象者が5割程度増えると目論んでいるようですが、同時に「申告すれば非課税」という層が大量に発生するはずです。更にボーダーライン上の「心配なので誰かに相談したい」という層も加えれば潜在的ななコンサルティング需要が膨大に発生すると思われます。今の税務署にこれに対応できるだけのマンパワーがあるのか心配になりますが、少なくとも税理士、FP、不動産コンサルティング業界にとっては特需となる可能性が高いと思います。

このソフトは相談用に特化したもので、最小限の入力項目でスピーディーな計算を行うことを目的としています。加えて、平成21年度税制との比較が自動的にできる機能を付加しています。バブル当時に信託銀行員だった経験では、最初の相談時に如何にスムーズな対応をとれるかが勝負です。申告書作成を目的としたソフトでは内容が細かすぎて、初対面のお客様を効率よく捌くには向いていません。

弊社で販売中のパッケージソフト「不動産コンサルティングの道具箱」に収録予定ですので、ご興味のある方は是非お問い合わせ下さい。

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返済計画提案ソフト ローン相談Pro

(Vectorからダウンロード販売を開始)

近年、ローンの返済方法の自由度がアップしています。繰上返済は勿論、増額指定や返済方法(元利金等vs元金均等)変更を自在に組み合わせることが可能なローンも登場しています。金融機関により取り扱いに差はあるものの、この流れは変わらないと思われます。

一方、それをシミュレーションするためのローン計算ソフトを見ると、残念ながらこの流れに対応しているとは言えないというのが現状です。実際のところ、革新的なローンを販売している銀行のサイトを見ても素朴な計算例が紹介されているだけで、それを駆使した場合の効果を充分説明できていません。

そこで新たに開発したのが「返済計画提案ソフト ローン相談Pro」です。従来のローン計算ソフトが「条件を決めて返済予定表を打ち出す」ことが目的だったのに対して、「将来返済額の推移を見ながら少しでも有利な条件設定を考える」ことを目指したソフトです。増額指定→増額解除→再度増額指定というケースや、元利均等→元金均等→元利均等に戻す、等々の複雑なケースも容易にシミュレーションできます。更に金利変更、繰上返済、期間延長を組み合わせることも可能で、変動金利型ローンの計算方法(未払利息発生時も含む)にも対応しています。

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長期修繕計画Pro ~ その2

コンサルティング資料作成パート

1.現状分析

 標準様式で設定した修繕工事スケジュールと現行の修繕積立金水準に基づいて将来の収支を予測します。基金の割戻しのような恣意的仮定は一切排除します。段階増額積立方式もそのまま収支に反映させます。

 それに加えて性能向上工事の設定もここで行うこととしました。ガイドラインでは長期計画の中に適宜潜り込ませるように指導しているようですが、このような工事は資金繰りに余裕がある場合に行われるものですので、むしろ提案の一種と考えた次第です。

2.対応策A、B
 
 現状分析の収支に基づき、A:全て修繕積立一時金で対応、B:全て積立金水準の引上げで対応、の2つのケースを分析します。作業は一切不要で、現状分析-2,3のレポートが作成されます。運用益を組込んだモデルでは、この2つのケースの解を手計算で求めることは不可能ですが、ローン計算で使用する財務関数を応用することで全て自動的に計算されます。

3.総合提案

 積立金、繰入金、積立一時金、ローン、運用利率、これら5つのファクターを動員して資金計画(提案)を行います。ガイドラインが期間中の"総支出=総収入"を判断基準としているのに対し、ここでは"全期間において資金不足を発生させない"ということを基準としています。

 上の5つのファクターは互いに依存しているので上手にミックスすることは難しそうですが、本ソフトでは「提案入力」画面で一括してシミュレーションすることが出来ます。PDFサンプルには表示されていませんが、印刷対象外の部分にシミュレーション結果のグラフが表示され入力内容がリアルタイムでフィードバックされるようになっています。

 手順としては、まず穏当と思われる積立金引き上げ幅を設定し、それでも資金不足が発生する場合は一時金、ローン、繰入金引上げ(駐車場使用料引上げetc.)で対応するということになるでしょう。その内容も自動的にレポートとして出力されます。

 以上が本ソフトの概略です。私自身は修繕工事については素人ですので工事項目等については全面的にガイドラインに準じていますが、既に一部の方から工事項目を自由に設定できるようにして欲しいとのリクエストもいただいております。ご購入いただいた方のリクエストは可能な限り反映させるというのがモットーですので、建設的なご意見があればぜひお聞かせください。
 また管理組合様向けの簡易版(廉価版?)も作成したいと考えております。管理会社等から提出された"標準様式"の書類からポイントだけ転記してコンサル資料を作成するタイプのものです。もしご要望があれば開発を前倒ししてご提供したいと考えております。

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長期修繕計画Pro

このソフトは国交省の長期修繕計画ガイドラインに定められた"標準様式"の作成と、そのデータを用いたマンション管理組合向けの資金計画コンサルティング資料の作成を同時に行うためものです。

"標準様式"と"コンサルティング資料"が別々に出来ると言うのもおかしな話ではありますが、役所が決めたものは尊重して、「両論併記」という構成としました。

「長期修繕計画Pro体験版」をVectrで公開中

長期修繕計画Pro最新版PDF

(工事項目設定の自由度を大幅アップ)

内容を見ていただくとお分かりになるでしょうが、標準様式作成パートとコンサル資料作成パートが明確に分けられています。各パートで積立金決定の考え方や計算手法が異なりますので、ソフトの機能についても分けてご説明していくこととしましょう。

標準様式作成パート

1.周期の設定方法について

 ガイドラインでは修繕工事の周期設定が細かく定義されています。特に同じ工事項目について、「修繕vs取替」のように交互に実施するものを規定して工事の周期を細かく管理することを求めています。そこで、本ソフトではこのような工事項目を「連動項目」と定義して、入力画面で簡単に周期設定が出来るようにしています。また、修繕の実施時期が当初計画とズレた場合も想定し、連動項目の周期が自動的に収斂していくように設定しています。

マニュアル参照 manual.pdf」をダウンロード

2.修繕積立金の額の設定

 これはガイドラインに準じて、計算期間(新築30年、既存25年)における"総支出=総収入"となることを積立金決定ルールとしています。追加した機能としては、運用益を計算に加えるオプションを付けています。ガイドラインに沿った計算手順では運用益を組み入れることは無理ですが、バックグラウンドで迂回計算を行うことにより運用益を組込んでいます。

3.付属資料(様式4-4号、3-2号)

 本来はこれらを作成し、それに基づいて計画表や総括表を作成すると思われます。但し、本ソフトでは入力を簡略化するために「工事計画の設定」画面に入力欄を集約しています。よって付属資料には「工事計画の設定」画面の入力内容が逆に転記されるようにしています。管理組合が資金繰りを検討する際には付属資料の入力は不要です。

4.標準様式の問題点

 この標準様式は修繕積立金の水準についても検討対象にしたということで評価できます。但し、それで充分かと言うと疑問です。参考にさせていただいたマンション管理センターの長期修繕計画書サンプルを見ても幾つかの問題点を容易に見出すことが出来ます。

 そもそも「計算期間における"総支出=総収入"」という計算基準には根拠があるのでしょうか。同センターのサンプルを見ると、改正後の積立金水準でも一時的な資金不足が発生し、期間満了時にバランスして"総支出=総収入"、すなわち積立金残高ゼロとなるとされています。これは同センターがリフォーム・ローンの保証業務を行っているのでご愛嬌かもしれませんが、このサンプル事例でも少し期間を延長すると36期目に大幅な資金不足が発生することとなります。「計算期間満了時に積立金残高がゼロになる」という基準自体に問題があると言わざるを得ません。

 それと修繕積立基金の取扱いについても誤解を生じる恐れがあります。ガイドラインでは修繕積立基金は無条件で竣工後5年で割り戻すとされています。これは望ましい積立額が基金の設定額から影響を受けないための措置と思われますが、計画見直し時には紛らわしい設定です。どういうことかと言うと、見直し時は上の割戻しの条件は外れて基金も積立金残高として処理されるので、結局は積立金の計算に反映されてしまうことになります。先程のセンターのサンプルでも、3年目の見直しで残高に算入されており、新築時に計算される"望ましい積立金水準"より見直し時に計算される"望ましい積立金水準"が無条件で低くなるという珍現象が起きてしまっています。

 ここまで問題点ばかり述べましたが、ガイドラインには結果オーライとなる面があり、一概に間違っていると決め付けるのは禁物です。即ち、積立金決定時に運用益を計算に組み入れることが出来ないということは、逆に運用益の分だけ資金繰りに余裕が生じます。また、積立基金を実質的に計算から外すことで、新築当初にガイドライン通りに積立金水準を決めておけば計算期間満了時に基金の分だけバッファーが生じます。つまり期間満了時にこれらのプラス要因が作用して"適正な"積立金残高が確保される可能性が高くなるというわけです。ソフトウェア的にはトホホな感じもしますが、実務上は許されることなのかもしれません。

                         その2へ続く

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